マリア様がみてる
「普通でないただの一日」
とりあえず2回読んで思いつくまま書く
ネタバレ感想
O(≧∇≦)O
とりあえず感想をば(^^;)
えーと・・・なんかごちゃごちゃしすぎていまひとつかなーと。
つめ込みすぎ―――つか、それを作者が御しきれてないって印象かな?
まず全体のバランスがちょっとね。今までで一番薄いらしい今巻ですが、
ま、それは1エピソードのみって事でいいとして。
学園祭の準備期間の頁数を割きすぎかなって気がする?
正直花寺の―――衣装合わせ付近の部分はもっと削っていいと思う。
面白くないし。


それよりもやっぱり本編の中心は学園祭そのものだと思うし。
なんか勿体ないなーって思うのがこの描き方ですね。
同時進行的にっていうか
ザッピングドラマみたいに進めてたら
もっともっと面白くなるのになーってのがちょっと残念かな?
今野さんってひとつのシーンをしっかり描きすぎな気がする。
(かといって、ちょっとした描写シーンは説明不足過多でストレスたまるけど)

今までの作品からこういうザッピング的な描き方が「好き」なのはわかるけど
正直あまりお上手でない
(機能してない)って気がするし。

(あんまり観てないけど)
海外ドラマのERとか24とか参考にすれば
もっともっと面白くなったと思うんだけど、ね。

(もしかしてやろうとしてたのかもしれないけど(笑)
だとしたら失敗かもかも)


適当な例)
例えば、シーンの長さが

祐巳          ☆☆☆      ☆☆☆  ☆☆☆
前薔薇      ●●●   ●●●      ●●●
可南子               △△△     △△△
瞳子    ◆◆◆            ◆◆◆
謎父親◎◎◎      ◎◎◎           ◎◎◎
謎女子      ■■■   ■■■   ■■■  ■■■


こういう感じで1シーン1シーン長く描くのではなく

祐巳 ☆ ☆ ☆ ☆  ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆☆☆
前薔薇 ●   ● ● ●  ●     ●  ●●●
可南子△      △   △  △  △ △ △△△
瞳子   ◆  ◆  ◆ ◆  ◆◆  ◆◆◆   
謎父親   ◎      ◎    ◎ ◎ ◎  ◎◎
謎女子 ■  ■ ■ ■   ■   ■    ■■■


こんな感じであっちが進行したらこっちが進行して―――って感じで
同時進行なのをザッピングする方が面白かったと
思うんだけどなー。
―――ま、それを描ききれるだけの「腕」も必要ですが。



さて、本編。

前半はアリスが出てきてかなり嫌な感じだったなぁ。せっかく他の男陣の登場が
結構抑えられてて適度だっただけにアリスさえいなければ―――とにかくいらない>アリス
口調が、態度が、そして存在すべてが、うz―――いや、いらない


あと、抑えられていたとはいえ、フジマツ縁日村に現れた「ごちそうさまでーす」には
ムカついたけど(笑) なんか勝手だなーって。
(今読み返して気がついたけど、これって生徒会のメンバーってだけで
 誰かって描写ないのね(笑) この口調からして小林なんだろうけど。
 や、だったら勘弁してあげよう(笑)<えらそう)

以降、男関係、スルー(笑)



・・・今回、進行の為に仕方ないとはいえ祥子さまの横暴が目につきました。
かなりお嬢様で独断的なわがままだってのは今まで通りなのですが、
今巻に限っては妙に鼻についたような気がします。
そう―――まるで、初めてアニみて観た時に
「なんか妙に祥子さまが我が儘に描かれてるなぁ。原作ではもう少し考えて
行動してるように描かれてたと思うんだけど・・・
やっぱりアニメはダメだな」

って思ってた祥子さまの印象を
そのまま文章化したみたいに。

で、そんな祥子さまのわがまま
(のように見える独断的な行動)
正当化っていうかフォローを、彼女の行動や考えで表現するのではなく、
祐巳や由乃さんにフォローさせてる文章がまた拙い。
こんな描き方する人だっけ?>今野センセ

その後、可南子が演技するのを嫌だってのを祐巳がなだめるシーンも
また、強引だったように思います。
読んでて
「わ、祐巳ちゃん、やな娘」って思ってしまったし。
始めてだよ、祐巳をやな娘って思ったのって。
可南子自身の為に引き留める、その行動自体はいつもの祐巳だとは思うのですが
そのフォローの仕方がやや強引です。で、祐巳自身はそれに気付いていない、と。


可南子の
「嘘っぽい」演技を指導する祥子さまのシーンも「?」かな。
中途半端に指導してほっぽりだして、その理由を祐巳の心象で表してるけど
わざわざこれを描く必要あったのかなって。
単に演技が出来てなくて、祐巳(もしくは他のキャラに)
「あれ?可南子ちゃんの演技が何時も以上にギコチない気がする。どうしてかな」
イイと思うんだけどなー。わざわざ祥子様に指摘させる必要もないし。
逆に読者の祥子様の印象が悪くなるだけだし。

祐巳の瞳子ちゃんへの演劇部関係のフォロー―――これもなぁ。
周りの瞳子ちゃんへの対応が妙に冷たい気がします。
理論的っていうか、今まで協力してきてくれた瞳子ちゃんに対して
あれは無いだろうと。祥子さま1人がそういうのであればともかく。
由乃さんの「放っておけば」は、まぁ納得として。
で、何?瞳子ちゃんに話をしに行った祐巳を後ろから観ている面々。
結局心配だった―――ってここ笑うとこ?笑えないけれど。
コミカルにしてはその前のシーンは冷たすぎるし。バランス悪くない?


で、その後の可南子のチケットがどうなったかの過程を「説明」する祐巳。
まぁ一人称だから仕方ないって事かもしんないけど―――文章が拙い。
すっごい
説明台詞。CDドラマみたい。

さて容子様登場。ここら辺の描写は楽しくて良いのではないかと。
スキンヘッドさんの伏線もイイ感じだし。
そう、この辺の文章を読んでる時って、妙に安心して読めたんですよね。
ああ、いつもの文体だって。
ちょっとあからさまな上に描写不足で、いつものように寸足らずで中途半端な
伏線だなぁ。騙すなら騙すで、あからさまならあからさまでもう少しちゃんと
描写すればイイのに―――ま、その辺は今野先生の味なんだなーって
納得してる―――そんな文体。


で、江利子が出てこないのは、まぁ諦めるとして
(チャオで聖様が結局出て
こなかったのと同じ印象)
その後の塀をよじ登るキャラは一体・・・。
後々レギュラーになるなら、まだその突飛な印象も頷けるのですが、
結局1回限りのイレギュラーなキャラだったワケで。
それにしては塀上りは
派手じゃありません? しかも一応若母親なワケだし。
その特異なキャラを表現したかったのかもしれませんが・・・。
その後の電話の件もそうだけどドジっ娘ってキャラは
ちょっとマリみての世界観とは離れてる気がします。
色が違うっていうか―――やっぱり同人誌的?
アリスとこのキャラは異質感バリバリです。

あーチグハグチグハグ。

で、売店描写―――あー、もう! 志摩子さん、冷遇されすぎ!(笑)
前回のチャオでもそうだったけど、作者的に志摩子さんは
もうどうでもイイんだろうか?
2年生同士の繋がりって感じの話が欲しいところなんですけど、
作者的には祐巳由乃の親友話に集中したいみたいで。
レディGOでも結局志摩子さんの描写は客観的なものにとどまってるし。
描きにくいのは判るんだけど、横の繋がりが欲しいんだけどなー。
―――諦めるしかないのかなぁ。


ま、この辺は同人誌でフォローしてもらって楽しむしかないかぁ(笑)
(注:七月夢のgetマリみて同人誌の中心は2年生本だったり(笑)
 前薔薇様関係、特に聖様関係は概ねスルー。シリアスものもスルー。
 基本、コミカル系、ギャグ系で。あと、志摩乃梨系は別格で(笑))

半纏売り子な祐巳由乃―――ここの瞳子のフォローはお見事です。
今までの伏線で
一番良かったかもしんない。
いつもの今野先生の伏線って妙にヘタだしね(笑)

で、ギンナン王子登場。うん、カッコイイやね(笑)
こういうフォローが出来るところがこの王子のいいとこだ。
謎の男性のシーンは可もなく、不可もなく。


ただ・・・
(結果的にだけど)赤ちゃんを荷物扱いしたところが
ちょっと
嫌悪感を感じるな。
や、いつものように作者がミスディレクションを誘おうとした部分の
ひとつであるとは理解出来るんですが、はっきりいってヤな感じ。
ところで、この男性の格好がギャグなんですかね?よーわからんです。

カメラとわけめ―――そう。こういうシーンを色々入れれば学園祭らしく
出来たと思うんだよなー。正直ここだけが
「ああ学園祭やってるんだな」って
実感出来たし。他の部分は学園祭やってる実感が全然なくてね。


そしてヤクザ登場(笑) うん、ここは今巻の中でも良いシーンのひとつですね。
珍しく言葉遊びも巧かったし
(子羊たちでの冒頭の言葉遊びは寒かったしな(笑)
普通イントネーションで判るっちゅうねん(笑))

今回の場合、由乃さんは割と大げさにわざと言い換えてる節があるので
言葉遊びしてても全然不自然じゃないしね。

あと由乃さんがヤクザ映画観たってのも、かなり「らしい」ですし。
志摩子さんのお父さん話は楽しいなー。イイアクセントです。
タクヤ君もぷらすして中々イイ感じです。
この二人に出会った時の頭抱えた志摩子さんとフォローに困る
苦笑いの乃梨子ちゃんを想像すると、非常に楽しいです。
実際に画で観てみたい気も―――うん、10日のマリみてオンリーが楽しみです(笑)


で、逆にこの後に「おでんは」があるワケですが、まぁここもイントネーションで
普通解るっちゅうねんって世界やね。
で、ここで可南子が祐巳を好きな理由を示唆したワケですが―――あんな猫のような
ハッチャケた先輩が好みだったとすれば、可南子にとっては天使じゃなく、むしろ今の
祐巳の方が好みなんじゃないかな―――って矛盾が生まれるワケで。
作者、混乱してる?

で、ここで学園祭描写のフォロー。やっつけ?
無理矢理楽しい感、だしてる?
ここに可南子ってのもなー。逃げてるって感じも描写不完全だし。
で、祥子さまが可南子を見つけた―――うう〜ん。流れが良すぎない?
ここで前薔薇達と祐巳、そして可南子のシーンがもう少しあっても良さそうなのに。
確かに前薔薇達は夕子を追わなきゃならなくなったワケだけど。

ここは
「可南子飛び込む」
「前薔薇不思議そう」
「祐巳、フォローして学園祭の別の催しモノを可南子と前薔薇様達と一緒に廻る」
「そこで祥子さまの姿を容子様が発見。呼び止める」
「嬉しそうに挨拶する祥子様。と、その背後に可南子を見つける」
「祥子さまが「あなたっ」とか言ってるのと同時に、
聖様が廊下の向こうで走っている夕子発見」

「祥子さま、祐巳可南子連れて保健室へ。前薔薇様達と別行動」
って方が自然でよかったように思うのだけれど。

ちなみにここでのポイントは
「嬉しそうに挨拶する祥子様」ね(笑)

そして、最大の問題であり、やっぱり皆が気になるであろう事ですが、
可南子関係が展開急すぎ。これはあれか。可南子の祐巳妹候補からの離脱を
意味してるのかしら?
やーまぁだらだら引っ張る話題でもないだろうけど、元の先輩と自分の父親が
出てきて―――って色々無理ある展開だなー。
チケットそのものは渡してないワケだから、果たしてどこで学園祭の事を知ったのか。
つか、二人ともチケット無しで入ろうとする方法が強引すぎ。
イイキャラではあるんだけど、やっぱ塀上りはむちゃあるよなー。
同人的っていうか。世界観が異様にずれてます。


で、何にしろ自分の父親が先輩と不倫して、先輩が身ごもって
母親と分かれてその母親は苦労してて―――って言うのは確かに
可南子が男キライになるだけの理由には十分ですね。
描かれ方はあっさりしてますが、
重いです。
ですが・・・それを殆ど
可南子の1人語りで説明して、さっさと解決させようってのが
見え見えで―――なんか扱い軽すぎっていうか、正直作者自身も、可南子関係の事は
どうでもよくなったのかもしれません。
「いばらの森」とかはあそこまでドラマチックに描いといて、所詮新人レギュラーには
この程度の扱いですか。う〜ん、あからさまだよなぁ。
殆ど祐巳を中心にレギュラー側も
「それぞれの家庭の事情だから」というバリヤーで
ごまかしつつ、結局どうでもイイような行動とってるし。
ずるいよな。

コバルトには合わない―――ってそれなら元を変えればイイわけだし、
別にしっかり書かずとも、もっとフォローのしようはあったハズ。
部分部分しか見せずに、想像させる事だって出来たハズだし。
なんで保健室で立ちっぱなしで事情聴くかな? 言動不一致だっての。
なんか祐巳ちゃんも前薔薇達も
下世話だなーって印象になっちゃったし。

確かに学園祭。色々なシチュエーションがテンコ盛りだし、これだけに関わっている
ワケにはいかないのだろうけど、だったらこんな時に可南子関係を持ち出すなって
思うです。やっつけで今回無理矢理終わらした感は否めません。
飽きたのかな?
なんだか可南子が可哀想になってきました。こんなんで終わらせていいの?


さてはて。
この後は今巻
屈指の名シーンが展開されるワケで。
そう、祐巳の瞳子をデートに誘うシーンです。


これはかなり
決定的なような気がしないでもないでも。
可南子を終わらせた事といい、今回のシーンといい、
作者的にはもう妹は決めてしまったと思います。
本当は可南子をもっと絡ませて最後までどっちかってもって行きたいだろうし
実際にそう持って行く様子はみせる(ミスディレクションとかで)でしょうけど
ここの描写の具合からほぼ決定したものと思います。

話を戻して―――もうラブラブですよね、このシーン(笑)
瞳子のツンデレ具合が最高です。祐巳が強引なのがまたGOODです。
ほんと可南子関係とは対称的ですやね。


で、本番―――特に書くことなく。

そして後夜祭―――これは祥子さまは
暗に瞳子を妹にしなさいって言ってるのか?
数珠リオって・・・いかにも同人的に作りやすそうなアイテムだな(笑)
多分10日のオンリーではどこかにあるでしょう。
あると言えば半纏コスプレも多分いるな(笑)

さておき、特別でない一日―――ってなんだか鼻息荒く今野先生は
書いてますけど。別に
感銘受けるような事でもないような。
「何を仰々しく言ってるんだ?祥子さま。でもって祐巳も泣くなよ(笑)」
って、妙に冷めきってしまい、読了感がちょっと台無しに。
祥子さま、サブタイトル知ってたの?ってのがねー。
あとがきのネタばらしがみっともないです。

でもって、ここで妹作れってとうとう言われたワケですが、
いつかは言われる事だしなーって、特になんでもなく。

流れから当然瞳子に決まりかけて、でも祐巳は可南子をフォローしたくて
それで即決出来ずに、祥子さまが切れる―――って
展開が目に見えるようです。

うーん。正直どうなるか判らないですよ。
ここまで今野先生はいきあたりばったりな展開をしてきたワケですから、
たとえ次巻で新キャラが登場して、その娘が祐巳の妹になったとしても
全然不思議じゃないですし。
その前に由乃さんの妹話があるわけで、そっちが決まってから、自然に
余った方が祐巳の妹―――って展開はへなへな〜ってなりそうなので
勘弁して欲しいところなのですが。



って事で感想でしたが―――今回チグハグだよなぁ。
書きたい事、書かなきゃならない事を箇条書きして、それをくっつけただけの
出来の悪いモザイクのような巻だったと思います。
ちゅうか余計な花寺関係の打ち合わせだけに前半使いきっちゃうなら、
もう少し可南子関係の事を掘り下げろ、と。
前薔薇関係の出番もよく判らない暴走した可南子の先輩を引き立てるだけの
中途半端な登場理由だし。そんなだからその先輩の登場も唐突なら、
殆ど描かれないまま感動の再会されても、しらける一方ですよ。
正直、あれで十分と思っているのなら、マリみてってのも所詮こんなもんかなーと。


ま、祐巳や由乃の妹問題の方が重要だってのは当然なんですけど、
だったらこんなにキャラ増やさずに、可南子と父親だけの正面対決にすれば
いいのに。

ほんと、ゴチャゴチャしてるなー。描き方のレベルがチグハグで読んでて妙に
落ち着かない―――っていうか読んでて疲れました。
本当に同じ人が同じような時期に書いたんだろうか?って邪推したくなります。
もしかして、今まで書きためてたバラバラの時期に書いたシーンをくっつけた?
うーん。


とにかくとっちらかっちゃってます。それが文化祭を表現しているっていうのなら
「ああ、そうですか」としか言えないワケで。
あとがきでイイワケするのは何回目です?>作者さん

本文中も、祐巳の持って回ったようなイイワケをしてたけど
ここまでクドイとなーって感じで。


アニメ化の弊害とは思いたくはないんですが―――どうも今野さんのマリみてという
作品に対する
「向かい方」が変わったように感じるのは穿った考えでしょうか?
(好き嫌いはともかくとして)「いばらの森」へのあの濃密な描き方や
レイニーブルーなどの作品への執拗な「想い」をここ数巻のマリみてからは
感じとれなくなってきてるように思います。
当然、すべてが変容してしまってるワケではないので、個々のシチュエーションには
まだまだ従来のマリみて「らしさ」は感じるのですけれど。

その点を含めて、個人的にはアニメ化はやっぱり失敗だったと思います。
原作に悪影響を与えた、という点において、特に。


懸念してた点が表面化してきたって感じだなー。
自分のアニメ化の反対の最大の理由がそこだったですし>作者の変化
過去、原作がアニメ化された事によって作者の描き方が変わったり、
最終回が変な方向になっていく作品を少なからず観てきただけに、
非常に残念です。


とりあえず読み終わった後に最初に思ったのが
「チャオ ソレッラ!の方が面白かった」ってのが、
我ながら、ちょっとなぁ。

「レディ・GO!」みたいな話を期待していたので
正直期待外れでした。

今後読み返す時は
「志摩子パパ&タクヤ君」「祐巳瞳子デート」シーンだけかな。